私と妻は、開業するに向けて、まず「役割分担」をすることにした。
私は、個人事業主として始めるとはいえ、開業するということは、ある意味で「小さな会社をつくること」だと考えていた。
私自身も勤め人として組織の中で働いている。
だからこそ、まず頭の中に組織図を思い浮かべた。
そして、それを脱毛サロンに当てはめながら、必要な役割をできるだけシンプルに整理していった。
大きく分けると、次のような役割になる。
〇 経営・総務・企画
会社の方向性を決め、事業を運営する
〇 人事
人を採用し、管理する
〇 経理
お金を管理する
〇 広報
認知度を高め、集客する
〇 営業
お客様を獲得し、商品やサービスを提供する
ざっくりと分けると、この5つだった。
ただ、これだけではまだ曖昧だったので、もう少し具体的に掘り下げてみた。
〇 経営・総務・企画
経営計画、売上や経営状況の管理・分析・改善、備品の購入・管理、施設管理、資金調達、補助金、契約書、保険、行政手続きなど。
〇 人事
給与、労務管理、社会保険、年金、労働保険、雇用保険、採用、福利厚生、研修、育成など。
〇 経理
売上・仕入れの記帳、領収書などの証憑管理、入出金管理、給与・経費の処理、月次・年次の決算、税務申告の準備など。
〇 広報
集客、SNS運用、メディア対応など。
〇 営業
顧客対応、カウンセリング、施術、各種コミュニティへの対応、パートナー企業との関係づくりなど。
ここまで整理したところで、次に「誰が何をするのか」という人事配置を決めることにした。
といっても、配置は意外なほど簡単に決まった。
妻が開業を決意した理由の一つに、
「難しいことは、私がやる」
という約束があったからだ。
当時の私たちに必要な業務を具体的に当てはめると、こうなった。
妻
広報
・SNS運用
・メディア出演
営業
・カウンセリング
・施術
・予約管理
夫
・経営、総務、企画
・人事
・経理
・その他、必要な業務すべて
・パートナー企業への営業
非常にシンプルだった。
妻は、それまで美容サロンのパートで経験してきた仕事を中心に担当する。
私は、それ以外のことを勉強しながら担当する。
今振り返っても、かなり偏った役割分担だったと思う。
業務量だけを見れば、私の方が多いようにも見える。
しかし、この事業は、妻がいなければ成り立たない。
実際にお客様と向き合い、カウンセリングをして、施術をする。
そして、お客様に「ここに来てよかった」と思ってもらう。
その部分を担う妻には、この事業の最も重要な責任がある。
だから私は、妻が現場でお客様と全力で向き合えるように、できるだけ裏側の仕事を引き受けることにした。
私は、妻を信じていた。
そして、何か問題が起きても、その都度、一つずつ解決していけばいいと思っていた。
もちろん、当時は私自身も経営や経理、人事、補助金、行政手続きなど、詳しく知っていたわけではない。
分からないことばかりだった。
だから、必要になったら調べる。
本を読む。
YouTubeを見る。
そして、また分からないことが出てくる。
そんなことの繰り返しだった。
その中で、私が担当することになった仕事の一つに、
「パートナー企業への営業」
があった。
これは、私が本やYouTubeなどから学んだ方法を実際に試してみようと考えたものだった。
この営業については、少し面白い取り組みだったので、詳しい内容は今後書いていきたいと思う。
こうして、私たち夫婦の「人事配置」が決まった。
会社なら何十人、何百人といるところを、たった2人でやる。
経営も、人事も、経理も、広報も、営業もある。
それを私たち2人で分担する。
今思えば、ずいぶん無謀な組織だった。
でも、当時の私たちは、それで十分だと思っていた。
むしろ、これから始まることに、ワクワクしていた。
